相続税申告書を作成できるエクセルは?国税庁にあるか、無料で使えるか解説

相続税申告書を作成できるエクセルや自分で簡単に申告書を作成する方法を解説

相続税申告書を作成する際、手書きは面倒なため、パソコンなどを使って申告書を作成されたい方が多くいらっしゃいます。特に、普段からエクセルを使う機会が多い方は、申告書もエクセルで作成できたら良いのにとお考えではないでしょうか。

今回は相続税申告書を作成できるエクセルのご紹介やエクセルで作成する際の注意点、エクセルよりも簡単に相続税申告書を作成する方法について解説します。

目次

自分で相続税申告を行うなら『better相続申告』

相続税申告書をエクセルで作る方法

相続税申告書をエクセルで作成する方法は以下の2つです。

  • 相続税申告書が作成できるエクセルを使う
  • エクセルに情報をまとめ、相続税申告書に転記する

相続税申告書の様式が作られているエクセルを使う

一つ目の方法は、エクセルで相続税申告書が作成できるテンプレートを使う方法です。

エクセル内に情報を入力すると相続税の計算結果や相続人の情報などが自動で相続税申告書へ反映されます。このようなテンプレートを使って、エクセルで相続税申告書を作成することができます。

エクセルの入手方法や値段については後程ご紹介します。

エクセルに情報をまとめ、相続税申告書に転記する

エクセルに情報をまとめ、相続税申告書に転記する

もう一つの方法は、相続する財産の一覧をエクセルにまとめ、相続税を計算し、その情報を相続税申告書の様式やe-taxに転記する方法です。

相続税申告書を別途エクセル以外の方法で作成する必要はありますが、無料で相続税申告書を作成できる可能性があります。

まず、相続税の対象となる財産を洗い出して評価額と一緒にエクセルへまとめます。次に、相続税の計算式をエクセルの数式で作成し、そこへ評価額などを入力します。あとは相続税申告書の記載例を見ながら相続税申告書の様式へ情報を転記すると相続税申告書が完成します。

ただし、こちらの方法は、エクセル内では完結しないことや、相続税申告書の記載方法を把握しなければいけないことなど、様々なデメリットがあります。

相続税申告書をエクセルで作成するメリット・デメリット

相続税申告書をエクセルで作成する場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。

メリット①:慣れているエクセルで相続税申告書を作成できる

相続税申告書作成ソフトを使う場合には、ソフトの使い方などを把握する必要があります。

一方で、仕事でエクセルを使うことが多い場合、入力や操作方法などに慣れているため、簡単に相続税申告書を作成することができます。

メリット②:修正が簡単にできる

手書きで相続税申告書を作成する場合、記載を誤ってしまうと最初から書き直す必要が生じます。一方で、エクセルを使うと、入力などにミスがあった場合でも簡単に修正することができます。

また、相続税を自動計算してくれるため、どのように遺産を分割すれば相続税が安くなるのかシミュレーションも行うことが可能です。

税金の計算や修正の手間を省くことができるため、相続税申告書作成にかかる時間を短縮することができます。

デメリット①:調べる手間がかかり税務調査のリスクも高くなる

デメリット①:調べる手間がかかり税務調査のリスクも高くなる

相続税申告書を作成できるエクセルには、どのような財産が相続税の対象となり、どのように評価して入力すれば良いのかは自分で検討する必要があります。

また、相続税申告書を税務署に提出する際に、提出が必要な書類の情報や提出方法、納税の手順などについては自分で情報を調べる必要があります。

このように、自分で調べる手間がかかるだけでなく、相続税の対象となる財産の申告漏れなどが起こりやすいため、税務調査などのリスクが高くなります。

デメリット②:入力が難しい

デメリット②:入力が難しい

エクセルで相続税申告書を作成する場合、相続税申告書の様式を把握し、どこにどの情報を入力するのか把握した上で利用する必要があります。

そのため、初めて相続税申告書を作成する方だと、どこに何を入力すれば良いか判断が難しく、申告書の作成に時間がかかってしまう可能性があります。

相続税申告書の書き方がわからなくても簡単に相続税申告書を作成できる方法もありますので、知識がなくても自分で相続税申告を行いたい方にはそちらの方法をおすすめします。

相続税申告書をエクセルで作成する際の注意点

相続税申告書をエクセルで作成する際の注意点について解説します。

相続税申告のやり方を把握した上で利用する

相続税申告のやり方を把握した上で利用する

相続税申告書を作成するためのエクセルの多くは、税理士などの専門家向けに作られているため、用語や評価方法などの解説がほとんどありません。

そのため、相続税申告のやり方を把握した状態でないと、エクセルで相続税申告書を作成するは非常に難しいです。

また、先にエクセルを購入してしまうと、自分で申告するのが難しいと判断した場合、返金ができず、無駄な費用となる可能性もあります。まずは自分で申告ができるのか手続きを進めてみてからエクセルでの申告書作成をおすすめします。

財産の申告漏れがないようにする

相続税申告に関する解説がないため、相続税の対象となる財産かどうかを調べ、自分で判断する必要があります。

仮に申告漏れが発生した場合、税務調査が入る可能性がありますので、どの財産が相続税の対象となるのか調べた上で利用されることをおすすめします。

相続税申告書を作成できるエクセルを選ぶ際の注意点

相続税申告書をエクセルで作成するメリット・デメリット、利用する際の注意点について解説しました。

ここからは相続税申告書を作成できるエクセルを選ぶ際の注意点について解説します。

相続税の計算だけが目的のエクセルがある

相続税の計算だけが目的のエクセルがある

相続税申告書を作成するエクセルではなく、相続税の計算だけを行うエクセルも存在します。

相続税の計算は、相続税申告の要否確認や遺産分割のシミュレーション、将来の相続税対策に利用することが多く、正確な計算ではなく簡易的な計算となっていることも多いため、相続税申告書の作成には向いていません。

エクセルを探す際は相続税の計算だけでなく、相続税申告書を作成できるかどうか確認した上で選ぶことをおすすめします。

相続税申告書の様式が適合しているか確認する

相続税申告書の様式は、毎年新年度の様式に改訂される可能性があるため、提出が必要な年度の様式に対応しているのか確認する必要があります。

対応していない場合、税務署への提出ができない可能性もあるため、注意が必要です。

また、年度ごとにエクセルファイルが異なる場合、間違った年度様式のエクセルを購入しないように注意してください。

相続税申告書を作成できるエクセル

相続税申告書を作成できるエクセルをご紹介します。

Excelで相続税申告書(今村圭一税理士事務所)

今村圭一税理士事務所が作成・販売している、相続税申告書を作成できるエクセルです。

エクセル上に相続税申告書があり、必要な情報を入力すると自動で相続税申告書へ反映されます。

こちらのサービスは、当初は税理士などの専門家向けに提供されていたこともあり、個人の方が自分で相続税申告をするための解説機能などは設けられていません。

サービス内でも、市販の相続税の図書で勉強したり、または税務署で相談する等して、ある程度の知識を身につけてから使用されるようおすすめされています。そのため、初めての方は入力が難しい可能性があります。

価格は個人の方が利用する場合は18,000円(税込)、士業の方が使う場合は25,000円(税込)となっています。また、土地評価明細書は個人の方の場合4,000円(税込)、士業の方の場合は8,000円(税込)となっています。

VBA 相続税申告書(合同会社Soft-j.com)

合同会社Soft-j.comが作成・販売している、相続税申告書を作成できるエクセルです。VBAを使っているため、マクロを使えるように設定する必要があります。

税理士などの専門家向けに作られたエクセルとなっているため、初めての方が個人で相続税申告を行うための解説などはありません。

データの保存やシートの印刷などを行うにはライセンス料24,000円(税込)を支払う必要があります。まずはシステムを利用し、正常に使えることが確認できたらライセンス料を支払うという方式になっています。

相続税 資料収集・財産評価・相続税申告書作成書式集(日本法令)

日本法令が販売するソフトウェアで、インストールするとエクセルで相続税申告書が作成できます。相続税申告書の他に土地評価明細書の作成もできます。

インストールが必要なソフトウェアになるため、購入時点と利用時点で法律や様式が変更されている可能性があります。

価格は定価で27,500円(税込)となっています。

相続税の計算が無料でできるエクセル

相続税申告書を無料で作成できるエクセルではありませんが、相続税の計算を無料でできるエクセルをご紹介します。

相続税のエクセル試算シート(すみだ税理士事務所)

すみだ税理士事務所が提供している、相続税の計算ができるエクセルです。メールアドレスなどを入力せずに利用できます。

相続人や財産、債務の情報を入力すると自動で相続税を算出してくれます。概算相続税評価額の算出方法も記載されているため、そちらを参考にして評価額を出すこともできます。

相続税試算エクセルシート(税理士事務所ウェルタックス)

税理士事務所ウェルタックスが提供している、相続税の計算ができるエクセルです。メールアドレスなどを入力せずに利用できます。

相続人や財産、債務の情報を入力すると相続税申告の要否判定や相続税額を算出することができます。

相続税の計算ができるエクセルシート(響き税理士法人)

響き税理士法人が提供している、相続税の計算ができるエクセルです。メールアドレスなどを入力せずに利用できます。

財産や債務の金額を入力すると相続税を算出してくれます。相続税の速算表も載っているため、税額や控除額も確認することができます。

相続税計算シミュレーションエクセル(円満相続税理士法人)

円満相続税理士法人が提供している、相続税の計算ができるエクセルです。円満相続税理士法人のLINEに登録することでダウンロードできます。

相続人や財産の情報、評価額、分割する金額を入力すると相続税を自動で計算してくれます。遺産分割のシミュレーションを行い、相続税を細かく確認されたい方におすすめします。

国税庁のホームページで相続税申告書の様式をダウンロードできるが、エクセル形式は手に入らない

国税庁のホームページで相続税申告書の様式をダウンロードできるが、エクセル形式は手に入らない

国税庁のホームページでは相続税申告書の様式をPDF形式でダウンロードすることができ、印刷すれば、手書きで相続税申告書を作成することができます。PDFの編集ソフトを使えば、ダウンロードした相続税申告書へ数字などを記載することができます。

しかし、国税庁のホームページにはエクセル形式の相続税申告書がありません。そのため、エクセルで相続税申告書を作成したい場合は、民間で販売されているエクセルの購入などが必要となります。

国税庁に相続税申告書作成コーナーはない

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、システムの案内に従って情報を入力すると確定申告書や贈与税の申告書を作成することができます。

しかし、相続税申告書の作成コーナーは国税庁のホームページにはなく、e-taxや民間のソフトを利用するか、手書きでの相続税申告書の作成が必要となります。

なお、国税庁のホームページでは相続税申告の要否判定と相続税の計算はできます。相続税の対象となる財産の確認や評価額の算出を簡易的に行うことができ、相続税申告の要否や相続税額の概算がわかります。

相続税申告の有無や相続税の計算を行いたい方は、相続税の申告要否判定コーナーの利用をおすすめします。

エクセルよりも簡単に相続税申告書を作成する方法

エクセルよりも簡単に相続税申告書を作成する方法

相続税申告書を作成するためのエクセルのほとんどが税理士など専門家向けに作られており、自分で相続税申告を行いたい方への解説などがありません。

そのため、自分で相続税申告を行いたい方はエクセルではなく、ソフトを利用した相続税申告書の作成をおすすめします。

ソフトへ相続人や財産の情報を入力すると自動で相続税申告書を作成してくれるため、相続税申告書の書き方を知らなくても簡単に自分で作成することができます。

また、財産の洗い出しから必要書類のリストアップ、評価方法の解説まで行ってくれるソフトもあるため、相続税申告の方法を調べる必要がなくなり、相続税申告にかかる時間を大幅に短縮することができます。

自分で相続税申告を行いたい方はエクセルよりもソフトを使った方が比較的簡単に相続税申告を行うことができますので、ぜひご検討ください。

相続税申告をエクセルよりも自分で簡単に行うならbetter相続申告

自分で相続税申告を行うなら『better相続申告』

相続税申告を自分で行うためのソフトをご検討なら『better相続申告』がおすすめです。

税理士のノウハウを落とし込んだシステムとなっているため、自分で相続税申告を行うことができます。

better相続申告がエクセルでの相続税申告書作成よりも優れている理由

エクセルで相続税申告書を作成するよりもbetter相続申告を使って相続税申告書を作成した方が良い理由について解説します。

申告漏れを防ぐため、税理士が行うようなアンケートを搭載

申告漏れを防ぐため、税理士が行うようなアンケートを搭載

better相続申告では、初めに財産の洗い出しを細かく行います。税理士に依頼した際と同等なアンケート内容となっており、質問に回答することで申告が必要な財産の有無を確認することができます。

財産の洗い出しを細かく行うことで、自分で相続税申告を行う際に発生しやすい申告漏れを防ぎ、税務調査のリスクを抑えることができます。

財産に応じた必要書類のリストアップ機能がある

財産に応じた必要書類のリストアップ機能がある

財産に関するアンケートや相続人の情報など、入力した内容に基づき、税務署に提出が必要となる書類を自動でリストアップします。

一般的に公開されている必要書類の一覧では、自分にとっては何が必要で、何が必要ないのか判断が難しいですが、better相続申告では取得する必要のある書類を自動でリストアップしてくれますので、無駄を省くことができます。

また、書類の内容や取得方法についての解説も充実しています。

財産の評価方法も丁寧に解説

財産の評価方法も丁寧に解説

自分で相続税申告を行う上でつまずきやすいのが財産の評価です。

better相続申告では、財産の評価額を入力させるだけでなく、財産の評価方法についての解説も充実しています。

経過利息や二次相続の計算ができる

better相続申告では、計算の難しい経過利息や、二次相続を踏まえた相続税の計算も行うことができ、効率的に相続税申告の手続きが進められます。

土地評価明細書を作成できる

better相続申告では、土地の評価に必要な計算や土地評価明細書の作成を行うことができます。

土地の面積や間口・奥行きの長さを入力すると、補正率が自動的に適用され、土地の評価額が自動で算出されるため、難しい計算を行う必要はありません。

また、土地評価に関する解説も充実しているため、初めての方でも自分で土地評価を行うことができます。

システムの不明点は質問し放題

better相続申告を使うなかで入力の不明点やシステムの使い方で迷った場合には、無料で相談することができます。

メールや電話など様々な方法で質問でき、回答も当日から2営業日以内には返ってきます。

相続税申告書の提出方法の解説や納付書の自動作成まで

相続税申告書の提出方法の解説や納付書の自動作成まで

better相続申告では、相続税申告書がどのような様式になっているか知らなくても、画面の案内に従って情報を入力するだけで、相続税申告書が自動で作成されます。それだけではなく、申告書と必要書類のまとめ方や納付書の出力まで行うことができます。

相続税申告書の提出までサポートし、最後まで調べる手間や時間を省くことができます。

大手金融機関とも提携している

better相続は複数の大手金融機関と提携している数少ないサービスです。個人情報の取り扱いなどにも十分に配慮しているため、安心してご利用できる信頼性の高いサービスです。

不動産の名義変更(相続登記)もセットでできる

相続が発生した際、ほとんどの場合は土地や建物の名義変更をする必要があります。そのため、相続税申告とは別に、相続登記の申請が必要になります。

better相続は、相続税申告だけでなく、相続登記のソフトもセットで利用することが可能です。他のソフトやエクセルでは相続登記の申請書を作成することはできないため、相続登記も自分でやりたいと考えている方にはおすすめのサービスです。

相続登記を自分で行うためのサービスはこちらからご確認いただけます。

自分で相続登記を行うなら『better相続登記』

相続税申告だけでなくその他の相続手続き全般の全体像や進め方などもわかる

相続が発生したら、相続税申告や相続登記だけでなく、役所や金融機関、保険、年金など様々な手続きが必要となります。

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監修者情報

監修者:德永和喜

徳永 和喜(公認会計士)

高校卒業して就職後、一念発起して公認会計士試験合格。

2018年から株式会社better創業メンバー取締役としてbetter相続Webアプリケーション開発に従事。公認会計士/税理士とエンジニアを兼務しながら、相続税申告の案件にも携わる。

2022年10月、経営統合により辻・本郷ITコンサルティング株式会社の執行役員就任。better相続事業部長として、自分で相続税申告や相続登記を行う方へより良いサービスの提供を目指している。

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