遺産相続の手続きは?自分で行う方法や流れや期限、完了にかかる期間を解説

相続手続きに必要なことや流れを期限ごとに解説

親や配偶者など身近な方が亡くなった際、相続に関する手続きが発生します。しかし、相続は通常、人生で1~2回程しか経験しないため、「何から始めればいいのかわからない」方がほとんどです。

そんな方に向けて、今回は身近な方が亡くなった際の相続手続きを解説します。何から始めるべきか、期限ごとに流れを解説しますので、ぜひお気に入りなどに登録して、必要な時に読み返していただけますと幸いです。

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相続手続きの全体像

まずは相続手続きの全体像から解説します。

期限 必要な手続き
7日以内 ・死亡診断書を医師などから入手する
・死亡届を役所に提出する
・火葬許可申請書を役所に提出する
14日以内 ・住民票の世帯主変更届を役所に提出する
・国民健康保険の資格喪失届を役所に提出する
・介護保険の資格喪失届を役所に提出する
・年金受給権者死亡届を提出する
早めに着手しておきたいこと ・公共料金などの解約や引き落とし先の変更を行う
・金融機関へ口座凍結の連絡をする
・生命保険金の請求を行う
・故人の戸籍謄本を取得する
・遺言書を確認する
・財産の洗い出し
・遺産分割協議や遺産分割協議書を作成する
・高額医療費の払い戻しを受ける
・個人事業の開業・廃業等届出書を提出する
・青色事業専従者給与に関する届出
・青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書を提出する
・消費税課税事業者届出書を提出する
・消費税課税事業者選択届出書を提出する
・消費税簡易課税制度選択届出書を提出する
3か月以内 ・遺産相続方法を決定する
・預貯金・有価証券等の解約や名義変更を行う
・各種財産の名義変更などを行う
4か月以内 ・準確定申告を行う
・青色申告承認申請書を提出する
10か月以内 ・相続税申告を行う
・相続税を納付する
1年以内 ・遺留分侵害額請求権の手続きを行う
2年以内 ・葬祭費の給付を受ける
・埋葬費の給付を受ける
・国民年金の死亡一時金を受け取る
3年以内 ・相続した不動産の名義を変更する(相続登記)
5年以内 ・遺族年金の受給を行う
期限なし ・復氏届を提出する
・姻族関係終了届を提出する

その他に届け出や手続きが必要なこと

相続が発生すると、その他にも名義変更や解約などの手続きが必要です。

以下、一般的に必要となる手続きを記載します。これを行わないと余分な費用が発生したり、サービスを受けられなくなる可能性があるので、早めに着手しましょう。

種類 依頼する場所 行うこと 詳細
・電気
・ガス
・水道
・NHK
・電力会社
・ガス会社
・水道局
・NHK窓口
契約者名、支払方法の変更、または利用停止 検針票などのお客様番号を元に、ホームページや電話から手続きを行う。
・携帯電話 ・各会社の店舗 解約 死亡がわかる書類や端末、身分証を持って店舗へ行き、手続きを行います。
・固定電話 ・NTT 加入権継承など ホームページから書類をダウンロードし、郵送で手続きを行う。
・運転免許証 ・警察署や運転免許センター 返却 死亡を証明する書類、運転免許証、申請者の身分証を持って行く。
・パスポート ・パスポートセンター 返却 パスポートと死亡を証明する書類を持って行く。
・クレジットカード ・クレジットカード会社 解約 インターネットや電話で解約手続きを行う。

金融機関へ口座凍結の連絡をする

公共料金などの解約や支払先の変更が完了したら、通帳記帳を行い、金融機関へ故人が亡くなった旨の連絡を行いましょう。連絡をすることで口座が凍結されます。

口座が凍結されることで、誰かが勝手にお金を引き出したり、不正利用されたりする心配がなくなります。

亡くなってすぐに凍結されると料金の支払いでトラブルが発生する場合や通帳記帳が行えず預金額を把握できない場合があるため、公共料金の支払い先の変更や記帳などが完了してから凍結することをおすすめします。

また、死亡後にお金を引き出すと『単純承認』のみでしか相続できなくなる(相続放棄ができなくなる)可能性があるので、引き出しは手続きが完了してからにしましょう。

亡くなってから7日以内に行う相続手続き

まずは故人が亡くなってから7日以内に行う手続きを解説します。

亡くなってすぐは葬儀などで忙しい日々が続きますが、時間を確保して手続きを行いましょう。

死亡診断書を受け取る

死亡診断書は人の死を法的、医学的に証明する書類です。

病院で亡くなった場合や、診療を受けていた人が自宅で亡くなった場合は、担当していた医師から『死亡診断書』が発行されます。亡くなってから24時間以内に発行されることが多いです。

診療を受けていなかったり、診療していた以外の病気で亡くなったり、事故などで亡くなったりした場合は『死体検案書』が発行されます。

死亡診断書を受け取る際、3,000円~数万円の費用が発生します。病院や介護施設など場所によって費用が異なりますので、現金などを準備しておきましょう。

死亡届を提出する

死亡届

死亡診断書の左側に死亡届が一緒になっていることが多いです。必要事項を記載して死亡届を役所に提出します。一般的には、葬儀社が提出してくれることが多いため、葬儀プランを相談する際に確認しておきましょう。

提出する役所は下記のいずれかです。

・死亡した人の本籍地
・届出人の所在地(住民登録地)
・死亡した場所

届出には死亡届の原本と印鑑が必要です。後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者が届出人の場合は、登記事項証明書が必要となります。

また、死亡届は、その後の手続きで使用することが多いため、必ず手もとにコピーを残しておきましょう。

火葬許可証を受け取る

死亡届を提出すると『火葬許可証』を受け取ることができます。

場合によっては窓口で『火葬許可申請書』に必要事項を記入し、死亡届と一緒に提出する必要があります。

なお、死亡届と火葬許可申請は葬儀社が代行してくれることが多いので、葬儀プランを相談する際に確認しておきましょう。

亡くなってから14日以内に行う相続手続き

死亡届などを提出し終わったら、次は、死亡から14日以内に、住民票や保険、年金などの手続きを行う必要があります。

住民票の世帯主変更届を提出する

住民票の世帯主変更届を提出する

故人が世帯主だった場合、世帯主の居住地の役所に世帯主変更届を提出する必要があります。

届出の際には、届出人の身分証と印鑑が必要です。一般的には、生計を立てる上で収入が一番多い人を世帯主にすることが多いです。

なお、下記のように世帯主が明白な場合は届出が不要です。

・世帯に誰も残っていない
・世帯に残るのが1人だけ
・世帯に残るのが1人の親と15歳未満の子だけ

国民健康保険の資格喪失届を提出する

故人が国民健康保険に加入していた場合、役所に資格喪失届を提出する必要があります。

届出は、世帯主、もしくは同一世帯の人(委任状があれば代理でも可)が行います。

届出に必要なものは、下記の通りです。

・国民健康保険証
・死亡を証明する書類
・届出人の身分証
・印鑑

世帯主が亡くなった際、他の国民健康保険加入者の世帯主欄を変更する必要があるので、全員分の国民健康保険証を持って行きましょう。世帯主変更届・葬祭費の請求と一緒に手続きを行うと効率的です。

会社員や公務員が健康保険に加入していた場合の手続き

会社員や公務員が健康保険に加入していた場合の手続き

会社員や公務員は国民健康保険ではなく社会保険に加入しているため、通常は会社が資格喪失届を提出します。

会社は死亡してから5日以内に資格喪失届を提出しなければならないので、勤務先への早めの連絡が必要です。また、故人の保険証と扶養家族の保険証も会社を通じて返却するので、返却方法を会社と相談して対応しましょう。

資格を喪失すると保険証が使えなくなるので、他の方の扶養に入るか、国民健康保険に加入する必要があります。

介護保険の資格喪失届を提出する

故人が65歳以上、もしくは40~64歳で要介護・要支援認定を受けていた場合、介護保険の資格喪失届を提出する必要があります。

故人の住民票がある役所へ下記を提出します。

・介護保険資格喪失届出
・介護保険被保険者証

市区町村によっては、資格喪失届を提出しなくても、死亡届を提出するだけで完了する場合や、介護保険被保険者証を返却するだけで手続きが完了する場合、電話での通知で完了する場合もあります。事前にお住まいの市区町村にて、ご確認いただくくことをおすすめします。

年金受給権者死亡届を提出する

年金受給権者死亡届を提出する

故人がもらっていた年金を停止するため、年金受給権者死亡届を年金事務所などに提出する必要があります。

下記の資料を準備し、年金事務所または街角の年金相談センターへ提出しましょう。

・受給権者死亡届(報告書)
・亡くなった方の年金証書
・死亡を証明する書類(住民票、死亡診断書、戸籍謄本等)

なお、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は、年金受給権者死亡届の提出は原則不要です。不安な場合には、年金事務所などに連絡してみましょう。

厚生年金をもらっていた方は、10日以内に年金受給権者死亡届を提出しなければならないため、早めに着手する必要があります。

亡くなってから早めに始めた方が良い相続手続き

故人に関する届け出や各種サービスの解約・名義変更などが終わってから早めに始めた方が良い手続きを解説します。

これらの手続きに期限はありませんが、その後の準確定申告や相続税申告といった期限がある手続きに間に合うよう、早めに着手する必要があります。

生命保険金の請求を行う

生命保険金の請求を行う

故人が生命保険に加入している場合、生命保険会社へ保険金の受取請求を行います。加入している保険会社へ保険金受取人が連絡をすると、必要な書類が送られてくるので、案内に従って手続きを行います。

保険金の請求期限は3年ですが、保険金は相続税の計算に必要となるため、早めに請求しておきましょう。

高額医療費の請求を行う

高額医療費制度とは、入院や手術などで医療費が高額になった場合、一定の金額を超えて支払った分が戻ってくるという制度です。

もし、入院や手術などで高額な医療費を支払った可能性があれば、早めに請求を行いましょう。国民健康保険や後期高齢者医療保険なら自治体、健康保険なら加入していた健康保険組合にて手続きを行います。

高額医療費の請求期限は2年ですが、払い戻された医療費も相続税の計算に必要となるため、早めに請求を行いましょう。

故人の戸籍謄本を取得する

故人の戸籍謄本を取得する

相続人を調査したり、相続手続きで必要な書類として提出したりするのに戸籍謄本が必要です。

故人が出生してから死亡するまでの連続した戸籍謄本が必要となるため注意が必要です。これにより、誰が法定相続人に該当するのかを明らかにします。

戸籍謄本は、故人の本籍地がある役所で取得することができます。取得の際には下記の資料が必要です。

・戸籍証明等交付申請書
・印鑑
・取得者の身分証

なお、郵送でも取得することが可能です。

また、転籍や婚姻などをしている場合、転籍・婚姻前の本籍地所在地の市区町村で、除籍謄本や改製原戸籍を取得する必要があります。出生から死亡まで同じ市区町村に本籍地があればすべて取得できますが、他の市区町村から転籍した場合などは、転籍後の戸籍しか取得できませんので、それ以前のものは転籍元の役所に請求する必要があります。

遺言書を確認する

遺言書を確認する

故人が遺言書を作成していた場合、遺言書の中身を確認する必要があります。遺言書の種類によって確認方法が異なりますので、それぞれ適切な方法で確認を行いましょう。

自筆証書遺言の場合

故人が自分で書いた『自筆証書遺言』を発見した場合は速やかに家庭裁判所へ検認を請求しなくてはいけません。封のしてある自筆証書遺言を勝手に開けてしまうと過料が科される可能性があります。

検認を行う場合は申立書や戸籍謄本、収入印紙代などが必要です。申立書を提出する人が申立人となり、検認に立ち会う必要があります。申立人以外の相続人は任意で立ち会います。

なお、2020年7月10日から自筆証書遺言を法務局で保管できるようになり、保管されていた自筆証書遺言は検認が不要となっています。自筆証書遺言の交付は、どの遺言書保管所でも可能なので保管されている形跡があれば交付を依頼しましょう。

公正証書遺言の場合

故人が公証役場で2人以上の証人の立ち合いのもと作成した遺言書である『公正証書遺言』がある場合、家庭裁判所の検認は必要ありません。

財産・債務の洗い出しを行う

遺言書の有無や内容の確認が終わったら、故人が持っていた財産の洗い出しを行います。預貯金や保険、不動産、借入金などがどの程度あるのか、遺品整理などで明らかにしましょう。

項目が多く大変ですが、遺産分割協議やその他の手続きを行うために必要です。

預金 名義預金 株式など 保険
現金 不動産 貸付金 死亡退職金
年金 未収金 家財 葬式費用
借入金 未払金 生前贈与 その他

遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議とは、戸籍謄本を元に調査した法定相続人全員(家庭裁判所で相続放棄した人を除く)と遺産をどのように分けるのか協議することです。また、その協議内容を記したのが『遺産分割協議書』です。

誰がどの遺産をどの程度相続するのかなどについて話し合います。そこで決まった内容を遺産分割協議書に記載し、最後に全ての相続人が署名捺印を行います。

なお、遺言書にすべての遺産の分割方法が記載されている場合や、法定相続人が1人しかいない場合などは、遺産分割協議書を作成する必要はありません。

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所得税や消費税に関する届出を提出する

相続人が故人の事業を引き継いだ際には、いくつか届出を行う必要があります。

まず、相続発生後すみやかに、(消費税)個人事業者の死亡届出書を提出する必要があります。これは、故人が個人事業者として消費税の納税をしていた場合、消費税の課税事業主が亡くなったことを税務署に届け出るために必要です。

次に、相続の開始を知った日の翌日から1か月以内に、個人事業の開業・廃業等届出書を提出する必要があります。これは、個人事業主が亡くなった際にも、その事業主のもとでの事業は終了するため、廃業することを税務署に届け出るために必要です。また、相続人は新たに事業を開始することになるため、開業したことを税務署に届け出るために必要です。

さらに、亡くなった日から2か月以内、または、1月1日から1月15日までに亡くなった場合は亡くなった年の3月15日までに、青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書を提出する必要があります。これは、青色申告を行う人は、同一生計にある家族などに対して専従者給与を支払い、経費とすることが認められますが、専従者給与を支払うためには、事前に届出書を税務署に提出する決まりになっているため必要となります。

最後に、故人が消費税の課税事業者であった場合、その事業を引き継いだ相続人も課税事業者となることが考えられます。この場合、亡くなった年の12月31日までに、消費税課税事業者届出書、消費税課税事業者選択届出書、消費税簡易課税制度選択届出書を提出する必要があります。

なお、所得税の青色申告承認申請書や準確定申告の必要がありますが、これについては後述します。

亡くなってから3〜4か月以内に行う相続手続き

故人が亡くなってから3か月以内に相続の方法、4か月以内に準確定申告を行う必要があります。また、相続人が事業を引き継いだ場合は、一定の期限までに青色申告承認申請書の提出を行う必要があります。

相続の方法を決定する

相続の方法を決定する

相続が発生した際、『単純承認』、『相続放棄』、『限定承認』の3つから相続の方法を決めます。相続放棄と限定承認は相続発生から3か月以内に家庭裁判所へ申し出をしなければいけません。

単純承認は、すべての財産・債務を受け継ぐ相続方法です。この場合、届け出は必要ありません。

相続放棄は、すべての財産・債務を受け継がない相続方法です。多くの借金が故人にある場合などは相続放棄するのが良いでしょう。申し出は相続放棄したい相続人が個人で行うことができます。

限定承認は、プラスの財産の範囲内中で債務を受け継ぐ相続方法です。借金の金額がはっきりしない場合などで、限定承認を選択すると、想定以上の借金を背負う必要がなくなります。申し出は相続人全員(相続放棄した人を除く)の同意が必要です。

もし、3か月を超えてしまいそうな場合は、家庭裁判所へ相続放棄のための申述期間伸長の申立を行いましょう。

預貯金・有価証券等の解約や名義変更を行う

相続の方法が決まったら、銀行や証券会社などへ行き、預金や株式などの解約、名義変更などを行いましょう。手続きに時間を要する可能性があるため、相続した財産から相続税の支払いを行う場合には早めに手続きを行うことをおすすめします。

ただし、銀行口座の場合、故人が亡くなったことを伝えると凍結されてしまいますので、公共料金やクレジットカードの支払いが残っている場合などは注意が必要です。

手続きは各銀行によって異なりますが、故人の戸籍謄本や相続人全員の印鑑証明書などが必要になります。

また、株式や投資信託などの有価証券は、故人の証券口座から相続人の口座へ移管する必要があります。証券口座を持っていない場合は口座の開設が必要です。

各種財産の名義変更などを行う

銀行口座などの手続きが完了したら、他の相続財産の名義変更なども行いましょう。

自動車を相続する場合、警察署で車庫証明を申請したあと、運輸支局で名義変更の手続きを行います。

他にも、バイクやゴルフ会員権などを相続する場合も名義変更を行う必要があります。

準確定申告を行う

準確定申告を行う

故人が確定申告の対象となっている場合、相続人が確定申告を行うことになります。これを準確定申告といい、相続発生から4か月以内に行う必要があります。

自営業の方、不動産や株取引での収入がある方、給与所得が2,000万円を超える方などが対象になります。準確定申告を怠ると延滞税や加算税などがかかってしまいます。

また、医療費が10万円を超えた人、ふるさと納税を6か所以上で行った人、年の途中で退職して年末調整を受けていない人などは、準確定申告の義務はありませんが、準確定申告を行うことで税金の還付を受けることができる可能性があります。

青色申告承認申請書を提出する

青色申告承認申請書を提出する

故人から事業や賃貸不動産を引き継ぐ場合、故人が青色申告を行っていたからといって、相続人に青色申告者の地位が自動的に引き継がれる訳ではありません。相続人は、相続人の名前で青色申告承認申請書を、納税地を所轄する税務署へ提出する必要があります。インターネットからの提出も可能です。

その際、亡くなった日によって青色申告承認申請書の提出期限が異なります。

・亡くなった日が1月1日~8月31日の場合は亡くなった日から4か月以内
・亡くなった日が9月1日~10月31日の場合はその年の12月31日まで
・11月1日~12月31日の場合は翌年の2月15日まで

が提出期限となるため、注意が必要です。

亡くなってから10か月以内に行う相続手続き

相続税申告が必要かどうかの基準

故人が死亡したことを知った日(通常の場合は、死亡の日)の翌日から10か月以内に相続税申告と納税を行う必要があります。ただし、相続する財産の金額によって申告が必要かどうか変わってきますので、確認しておきましょう。

相続税申告が必要かどうかの基準

相続税申告が必要かどうかは、財産金額が基礎控除額を超えるかどうかによって判断します。

相続税の基礎控除額は【3000万円+相続人の数×600万円】となります。この金額を超える相続財産がある場合は相続税申告が必要です。

「配偶者控除(配偶者の税額軽減)制度」や「小規模宅地の特例」などを使うと、基礎控除以上の財産であっても相続税が0円になることもあります。しかし、これらの特例を利用する場合には、相続税が0円であっても相続税申告が必要です。

相続税申告と納税を行う

相続税申告が必要な場合、相続税申告書を作成して故人の住所地を所轄する税務署へ提出をする必要があります。現在は郵送や電子申告も可能になっているので、遠くまで足を運ぶ必要はありません。

納税も10かカ月以内に行う必要があります。税務署はもちろん、郵便局や金融機関でも納税することができます。怠ると加算税や延滞税が発生する可能性があるため、注意が必要です。

もし、金銭的に余裕がなく、相続税を納めることができなければ、『延納』で納付を延長させることや、『物納』により金銭以外の財産で納税することも可能です。ただし、審査があるため期間に余裕をもって申告を行いましょう。

相続税申告を行う方法について

相続税申告を行う方法について

相続税申告を行う方法は、税理士や弁護士に依頼する方法、または、自分で行う方法があります。

税理士に依頼すると、通常は相続財産の0.5~1%の報酬が発生します。できるだけ費用を抑えたい場合は自分で申告を行う選択肢もありますが、手続きが複雑なので注意が必要です。また、多額の相続財産がある場合や、ご自宅以外に評価が難しい不動産がある場合、会社経営などで相続が複雑になりそうな場合には税理士に依頼することをおすすめします。

反対に、相続財産がシンプルで不動産も住居のみの場合は、費用を抑えて自分で申告できる可能性があります。

ただし、自分で相続税申告を一から行うためには、色々と調べたり時間も労力も知識も必要となります。そんな方のために開発されたシステムが『better相続申告』です。『better相続申告』は、税理士のノウハウをシステムに落とし込み、初めての方でも簡単に相続税申告書が作成できるよう開発されたWebサービスです。

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亡くなってから1年以内に行う相続手続き

『遺留分侵害額請求』を行うことができるのは、「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時」から1年以内です。

遺留分侵害額請求権

遺留分とは、一定の相続人に対して、遺言によっても奪うことができない、遺産を最低限取得することができる権利のことです。

遺言により、1人に財産すべてを渡すと書いてあったとしてもその内容に他の相続人が納得できない場合、最低限の金額を遺留分として請求することができます。これを『遺留分侵害額請求権』といいます。

この『遺留分侵害額請求権』は、「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時」から1年以内に時効となります。

亡くなってから2年以内に行う相続手続き

故人が亡くなってから2年が期限となっている手続きがあります。

葬祭費の請求を行う

葬祭費や埋葬料の請求を行う

故人が国民健康保険に加入していた場合、葬祭費が給付されます。金額は市町村によって異なりますが、1~7万円程度です。

申請の期限は2年以内ですが、国民健康保険の資格喪失届を提出する際に併せて請求を行うと効率的です。

埋葬料の請求を行う

故人が健康保険や、組合保険に加入していた場合、埋葬料として5万円が給付されます。資格喪失届とは異なり、喪主本人の申請が必要です。

一緒に行う手続きがなく、相続財産として含まれるわけではないので、落ち着いてからの請求でも問題ありません。

国民年金の死亡一時金の請求を行う

故人が第1号被保険者で、保険料を納めた月が36か月以上、老齢基礎年金や障害基礎年金を受けていない場合は死亡一時金を受け取ることができます。

住所地の役所、または年金事務所や年金相談センターの窓口で、国民年金死亡一時金請求書を提出します。

亡くなってから3年以内に行う相続手続き

2024年4月1日から相続登記が義務化されますので、2024年4月1日以降は、相続の開始及び相続により所有権を取得したことを知った日、または、遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に、相続登記を行いましょう。

相続登記を行う

相続登記を行う

相続により不動産を取得した相続人は、不動産の名義を故人から相続人へ変更しなければいけません。これを相続登記といいます。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、正当な理由なく申請しなかった場合は10万円以下の過料を科される可能性があります。

そのため、2024年4月1日以降は、相続の開始及び相続により所有権を取得したことを知った日、または、遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記の申請をする必要があります。

また、この相続登記義務化は、過去に既に相続が発生していたが相続登記をしていない不動産についても適用があるので注意が必要です。

なお、相続した不動産を売却する場合でも相続登記は必要になるので、早めに手続きしておいて損はありません。

相続登記を行う方法について

相続登記を行う方法について

相続登記を行う方法は、司法書士に依頼する方法と、自分で行う方法があります。

相続関係が複雑な場合やひとつ前の世代から名義変更がされていない場合などは手続きが複雑になるため、司法書士に依頼することをおすすめします。

相続や不動産の登記情報がシンプルな場合は自分で申請することも選択肢の一つです。司法書士に依頼すると10万円程度の報酬が発生しますが、自分で申請することで費用を抑えることができます。

ただし、相続登記に必要な手続きや書類作成などは難しい部分もあるので、自分で行う場合は『better相続登記』の利用をおすすめします。

『better相続登記』は、司法書士のノウハウをシステムに落とし込み、初めての方でも簡単に相続登記ができるよう開発されたWebサービスです。

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亡くなってから5年以内に行う手続き

故人が亡くなってから5年以内に遺族基礎年金と遺族厚生年金の請求を行いましょう。

遺族基礎年金の申請を行う

国民年金の加入者で一定の条件を満たしており、子のある配偶者または子がいれば遺族基礎年金を受け取ることができます。

遺族基礎年金の申請は、故人が亡くなってから5年以内に行う必要があります。

遺族厚生年金の申請を行う

厚生年金に加入しており、一定の条件を満たしていれば遺族厚生年金を受けとることができます。

遺族厚生年金の申請は、故人が亡くなってから5年以内に行う必要があります。

亡くなってから必要であれば行う手続き

特に期限はありませんが、必要であれば復氏届や姻族関係終了届の提出を行いましょう。

復氏届を提出する

旧姓に戻したい場合は復氏届を提出しましょう。復氏届を提出すると配偶者の戸籍から抜け、結婚前の戸籍に戻るか、新たに戸籍を作るかを選択することになります。

戸籍を抜けたからと言って配偶者の相続人という地位ははく奪されず、離婚したわけではないので義父母などとの扶養義務などは残ります。

また、子供の名字や戸籍は復氏届だけでは変わらないので、変更したい場合は裁判所へ申し立てを行う必要があります。

姻族関係終了届を提出する

亡くなった配偶者との婚姻関係を終了するためには姻族関係終了届を提出する必要があります。提出すると義父母などの扶養義務がなくなります。ただし、配偶者の相続財産を受け取る権利や遺族年金の受給権はそのまま残ります。

子供に関しては姻族関係終了届を提出しても血縁関係や戸籍、名字が変わるわけではないので、裁判所への申し立てが必要です。

相続手続きが完了するまでに必要となる平均的な期間

相続が発生してから相続税申告書の提出までに必要となる期間は早くて3~4か月程度です。相続財産が早い段階から洗い出されている場合や、遺産分割協議が円滑な場合には比較的早く相続手続きが完了します。

準確定申告や財産の洗い出し、相続税申告書の作成までを一から行うと7~8ヶ月程の期間が必要です。

働きながら隙間時間で相続手続きを行うとなるとさらに期間が長くなることが想定されます。そのため、早い段階から準備しておき、余裕をもって手続きを進めることをおすすめします。

相続手続きは自分で行うことができる?

時間を確保できる、相続で揉めていないなどであれば、自分で相続手続きを進めることができます。書類の取得や銀行口座の解約手続き、相続税申告、相続登記など難しい手続きもありますが、自分で相続手続きを行い、費用を抑えることができます。

ただし、相続関係が複雑な場合や揉めている場合など、自分で手続きを進めることが難しいケースもあります。その場合は専門家へ依頼をし、解決することをおすすめします。

相続登記や相続税申告を自分で行うならbetter相続

自分で相続登記や相続税申告を行うことで、専門家に支払う報酬を抑えることができます。

ただし、必要書類の収集、手続きに必要な書類の作成などを一から自分で行うためには、多くの知識が必要となります。

相続に関する知識に不安な方でも自分で相続税申告や相続登記を行うことができるのがbetter相続です。質問に回答すると必要な資料が洗い出され、申告書や申請書などの書類が自動作成されます。また、専門家のノウハウがシステムに落とし込まれ、初めての方でもわかりやすいように細かく解説が記載されています。

もし、システムを使って自分でやってみて、やっぱり専門家に依頼したくなっても、専門家依頼に切替可能なセーフティネットがあるため、安心してご利用いただけます。

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監修者情報

監修者:德永和喜

徳永 和喜(公認会計士)

高校卒業して就職後、一念発起して公認会計士試験合格。

2018年から株式会社better創業メンバー取締役としてbetter相続Webアプリケーション開発に従事。公認会計士/税理士とエンジニアを兼務しながら、相続税申告の案件にも携わる。

2022年10月、経営統合により辻・本郷ITコンサルティング株式会社の執行役員就任。better相続事業部長として、自分で相続税申告や相続登記を行う方へより良いサービスの提供を目指している。

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